日本古時計クラブ owcコレクション


月例会コレクション読み物メモリアルスポンサー


  デッキウォッチ3種

 船で使う時計は時間を知るというよりは船の位置を知るための計器としての意味合いが強く時
計の持つ精密さをより強く感じます。
今回はそのうちある程度持ち運びできるデッキウォッチを取り上げます。1940年ころのアメリカ製
ハミルトン、1920年ころのスイス製ユリスナルダン、昭和34年ころのセイコー製の3個です。

   各画像は拡大できます
デッキウォッチは一般的に2重蓋の木箱に納められています。
ハミルトンの箱はどちらかというと船外持ち出し用の箱のようです。
セイコーの箱には甲板時計と書いてあります。


上蓋を開けたところ。
普段時間を見るときにはこの状態で見ます。





2番目の蓋を開けたところです。
時計のぜんまいを巻くときだけ鍵を持っている人が蓋を開け時計を取り出してぜんまいを巻きます。




ハミルトン モデル22
外径71mmと非常に大きく下げ輪がないので持ち歩くことができません。
時間合わせは竜頭引きなのですが11時のダボを押してロックを解除しないと竜頭が引けません。
巻き印つきです。
同じムーブメントをジンバルで浮かせた補助クロノメーターもあります。



35サイズ(約70mm)の巨大なムーブメントです。
戦時中開発されたモダンなムーブメントで直線基調の味気ない受けですね。
21石6姿勢調整ですが微動緩急針に古典的な勾玉型を使っているのが面白いです。


外径64mmの銀側に入った巻き印つきナルダンです。
丸環、丸竜頭、ローマ数字の英国型でガラスは平板、時刻合わせはダボ押しです。







ナルダン得意の金色梨地ムーブメントで石数の刻印はありませんが18石くらいです。
ムーブメントはかなり大きく21型(約47mm)と思われます。
時代は1920年ころでしょうか。


外径60mm、24型交換時計といわれている大型懐中です。
昭和6年ころ電話交換業務のため作られました。
戦時中は甲板時計、陸軍精密時計として使われ戦後も昭和46年ころまで作られました。
戦後15石のムーブメントに歩度証明書をつけ木箱にいれて時計屋の標準時計としても販売されました。



ムーブメントは19型(約43mm)でケースを大きくして24型に見せています。

戦後の15石モデルは昭和34年まで金色(金無垢?)の石止めが使われています。



 デッキウォッチの一つの使い方として本クロノメーターの補正をする仕事があります。昔各港で
は毎日正午ちょうどに午砲や報時球で時を知らせました。片手に裸のデッキウォッチ、片手に望
遠鏡を持った船員が甲板に出て正午直前に目には望遠鏡、耳にデッキウォッチを当て大砲の煙
や報時球の落下を見てデッキウォッチの補正をします。それを本クロノメーターの所に持っていっ
てクロノメーターの狂いをノートに書き出します。耳で刻音を聞いて秒がわかるというのを聞いて
感心してしまいました。

  作成日:2003.08.01



最新情報 インフォメーション リンク 掲示板